[読書メモ][Kindle]『敷金・職質・保証人』(烏賀陽弘道)

Hitoshi Arakawa | 2024/03/24 Sun 03:57

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日本人の約4割は賃貸住宅に住んでいます[。]

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刑事裁判がパブリックな利益のためになされるのに対して、民事裁判はプライベートな、つまり個人と個人間の対立や紛争の解決を裁判所に決めてもらう制度です。

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では、敷金返還の解決を裁判所に求めることの長所は何でしょうか。それは裁判所には「差し押さえ」の権限がある、ということです。

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裁判所での和解には判決と同じ強制力があります。

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つまりあなたは、警察があなたを犯罪者として立件して初めて「これが違法だって!?」と驚きとともに学習するのです。しかしその時はもうすでに手遅れなのです。

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裁判官は、署名・捺印のある文書があれば、法廷にいる本人の証言より、その文書を信用します。とことん書類偏重です。裏返せば「法廷にいる目の前の被疑者・被告は嘘をついている」と信用しないのが裁判官の発想なのです。

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つまり「契約書にハンコをついたらもう最後」は、契約相手がそう考えるだけでなく、裁判官もそう判断する、ということです。

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「契約相手を騙そうとしている」とか「善悪」の判断に帰するのはやめておきましょう。契約書を起草した側は、自分に有利な内容を書くのが「人間の性」である。それぐらいに考えておいた方がよいのです。

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特に、この契約のように「例外を許さない表現」が頻出する契約書には要注意です。話し合いが行き詰まり、裁判になったときに、裁判所ではこうした「契約書の一字一句を精査し、意味を検討する」という「字句論争」になるのです。

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裁判官は、あなたのハンコと署名のある契約書を根拠に「あなた、契約書の内容に全部納得して、自分の意思でハンコを押したんでしょう?」と責任をすべて押し付ける発想をする、ということです。そこに至る背景・事情・歴史など「書類の外側」を見ようとしません。

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自由な言論が抑圧・抑止される現象を「冷却効果」(Chilling Effect)といいます。

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いかに不都合なものであっても、言論には言論で対抗すればよい。

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本来、言論や表現の評価はそういった「情報を受け取る人たち」の「見えざる手」に評価を委ねるべきものなのです。

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企業としてのリピュテーション・ダメージを負ったといえるでしょう。

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つまりこの事件は、会社側も労組側も双方がダメージを負った「オール・ルーザーズ・ゲーム」(全員が敗者)なのです。「挑発する」→「相手が強硬手段に出る」→「力による衝突が起きる」→「双方がダメージを受ける」という、国際政治学で言うところの「エスカレーション・シナリオ」が起きたのです。これは最悪のシナリオです。

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「普通の人たち」が法律の落とし穴に落ちてしまう現象こそが、私が本書で強く警告したいことなのです。

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貸主にせよ警察官にせよ、相手が無知で、何事もハイハイと自分の言う通りに従ってくれるに越したことはないのです。/そうした人々には「できるだけ市民は知らずにいてほしい」と願う動機が生まれます。

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現代日本では「無知は利用される」のです。

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