最近は佐藤優さんの初期の作品や若い頃についての作品をよく読んでいる。特に海外生活や旅行記は、海外エッセーを読むのが好きな僕はワクワクする。
今読んでいる『十五の夏』は佐藤さんが高校1年生のときに、ソ連や東欧を一人旅した話だ。
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一応 15 歳の少年が見た世界ということになっているので、何を食べたとか、どこへ行ったとか、箇条書き風の羅列が多い。でも 50 年も前の海外旅行という文脈では、そのそれぞれが生き生きしていて非常に面白い。また、「どこで飲んでもコーヒーに付いてくる砂糖は溶けない」といった一見どうでもいい描写がその細かいディテールゆえに臨場感がある。
よく「SNS に食べ物の写真をアップすることなんて馬鹿らしい」と言う人がいる。でもその言葉は独り歩きしている。人から聞いた言葉をさも真実であるかのように語っているにすぎないと思う。
たとえ食べ物の写真であっても、ディテールがあればいくらでも面白くなる。ディテールは写真に添えられる文章であることもあるし、前後の文脈や投稿者のバックグラウンド自体がディテールとして臨場感を出すこともある。情景が浮かぶほどの描写があるなら、いくらでも発信する情報は魅力的になり得る。