日本でよく誤解されている英語の一つが ‘Okay.’ のニュアンスだ。
日本語の「オッケー」は「了解」「完璧」のような意味で使われているが、英語では「まあまあ」「とりあえず承知した」「何となく」といった、曖昧な返事で使われる。
コンピューターのダイアログで ‘OK’ と ‘Cancel’ を選ばせされることはよくあるが、その ‘OK’ は、「(よく分かっていなくても)とりあえずいいですよね?」とプログラマー側が事務的に先に進ませようとしているように僕は感じる。
僕は英語と日本語での違いを意識してしまうと、誤解を避けるために日本語で安易に「オッケー」とは言えなくなったし、人に「オッケー」と言われると「曖昧な意味で使われているのではないか」と疑うようになった。
最近は外国人とよく話す機会があるが、英語が流暢でないとつい ‘Okay.’ を多用してしまう。‘Okay.’ は曖昧な返事として使えるため便利な表現だからだ(その証拠に、外国でも子どもはよく ‘Okay.’ を使う)。しかし、何でも ‘Okay.’ と応えても英語力は上がらないので、できるだけ ‘Okay.’ を使わず、Yes/No がはっきりするような表現を心掛けている。
イギリスの大学に留学していたとき僕はロシア語の授業を受けていた。学生は僕以外イギリス人で、先生はロシア人の先生だった。そのロシア人の先生がよく使っていたのが ‘Okay-ish.’ だ。
形容詞の末尾に -ish を付けると、「〜っぽい」という意味になる。orangish なら「オレンジ色っぽい」っといった感じ。つまり、Okay-ish. は「まあまあっぽい」という、Okay. 以上に曖昧な返事だ。
先生の口癖なので、学生も先生のマネをして Okay-ish. を使っていたし、しまいには ‘Ish.’ だけで会話をしていた。
- 先生:‘Ish?’(理解してクリアになりましたか? っぽい?)
- 学生: ‘Ish.’(っぽいです。)
というような感じ。clear ではなく clear-ish であるということだ。
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