たしかイギリス留学中に教科書で読んだ内容だったと思う。相手を呼びかける際に使う、hello と hey の違いについてだ。
おそらく多くの人はどちらも「こんにちは」という意味であり、hello よりみ hey のほうがくだけた表現だと思っているはずだ。
正解は、どちらも相手の注意を自分に向けるために発する言葉であるが、hello は相手がまだ自分を意識していない場合に使い、hey は相手がすでに自分を意識している場合に使う、という違いがある。
誰かの家を訪ねて「誰かいますか?」と言う場合は、相手がまだ自分に気付いていないので ‘Hello?’ と言う。‘Hey.’ じゃない。
電話で最初に話しかける言葉は、相手と回線が通じていることをまず確認する段階なので、‘Hello.’ と言う。‘Hey.’ じゃない。
誰かと一緒に歩いているとする。すると珍しい鳥が飛んでいた。連れに「ねえ、見て!」と言うときは ‘Hey. Look.’ と言う。‘Hello. Look.’ じゃない。
誰かに挨拶をするとする。初対面の相手なら、これから自分が話しかけるとは相手は気付かない可能性が高い。だから ‘Hello.’ と言って会話を始める。
一方知り合いと待ち合わせをしていて、相手も自分が近付いていると気付いているなら「話しかけてくるぞ」と相手は分かっている。その場合は ‘Hey.’ と言って会話を始める。
Apple のバーチャルアシスタントの Siri への呼びかけは、なぜ ‘Hello, Siri.’ ではなくて、‘Hey, Siri.’ なのか。それは Siri が「あなたが話しかけることを知っていますよ」という存在だからだろう。「まさか私に話しかけるとは思っていませんでした」と Siri に言われたらバーチャルアシスタントの意味がない。
こういう「シンプルだけど意外と知られていない知識」は結構好きだ。
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